2006/11/3-4

足尾山塊 皇海山

メンバー:会員1(男性1)


この辺りの山に登ると皇海山って地味に目立ちません?
この詰まった様な山様が結構印象的。それと庚申山ってえのがツボ。でもこのルートの主役は鋸山だと思いますよ。
「虫の居所が悪い」「腹の虫が治まらない」という諺がありますが、実は人間の体内には 生まれながらにして三匹の虫がいるらしいです。各地に伝わる『庚申縁起』には、以下のように説かれています。
「庚申日」の夜、人々が眠っている間に体を抜け出た三匹の虫が天に昇り、その人の善悪を天帝に告げる。そして、報告を聞いた天帝は、罪の軽重に応じて寿命を縮め、時には命をも奪うとされる。その災いから逃れるためには、「善をなし悪をやめ、庚申の夜には、香華や百味の飲食を供え、真言を唱えて仏を念じて眠らない。さらに、六度の庚申の夜を無事に勤めれば、願いが成就する。」と。
仏教では、庚申の本尊を青面金剛および帝釈天に、神道では猿田彦としています。これは、庚申の「申」が猿田彦の猿と結び付けられたものと考えられます。また、猿が庚申の使いとされ、庚申塔には「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿が彫られることが多かった。山王信仰(三猿信仰)もここから生まれたとされています。
猿田彦大神は邇邇芸命らが天孫降臨する際に先導をしようと迎えに来た国津神で、このことから道祖神として、道の神、旅人の神とされるようになりました。
このように庚申信仰は中国の道教(中国の伝統宗教)を源とし、日本に入って真言宗(インドの呪術宗教)と結びつき青面金剛童子を描いたり、「申」ということで山王権現(日本の自然信仰)や猿田彦(神道)と結びつき三猿が描かれるようになったり、中国・インド・日本の要素が習合・融合した民間信仰の代表例でしょう。

ちなみに日本三庚申堂は大阪四天王寺、京都八坂、浅草浅草寺にある庚申堂だそうです。
さらにちなみに庚申に拘ったのは自分の最寄り駅が都電の「庚申塚」だから。

11月の連休初日なので東北道は渋滞。どうせならと加須ICで降りてR125からR122と一般道を経て銀山平へ
。今日は庚申山荘までの2時間弱の工程なので舐めきってます。結局山荘に着いたのはヘッドランプ出さないギリギリの時間。
山荘は綺麗で立派なログハウス風。使わなかったけど布団も完備されていました。

翌朝は夜もあけきらないうちに出発。鎖や梯子の完備された岩場を登っていく。この辺りはお山巡りの道で奇岩には名称の看板が掛かっている。稜線は思いの他なだらかで針葉樹林帯の原生林に囲われた庚申山山頂に着く。

山頂からちょっと先に頂がありそこからは皇海山がスンゴク遠くに見える。このルートは鞍部の笹薮が凄い。密集して胸までの高さが有り朝露で濡れているのでビショビショになる。鋸山までは薬師・地蔵・白山・熊野等仏教にちなんだ名称が着いた11の岩稜の頂があり鎖と梯子で昇り降りして超えて行くので結構面白いが朝一の気温は鎖をい掴む手にはしんどい。鋸からも一気に下り不動沢の鞍部からまた登り返して皇海山山頂へ到着。

帰路は鋸まで登り返して六林班峠経由で庚申山荘にデポした荷物を回収して銀山平へ戻りました。人は大勢いましたが常に先を歩いていたので静かな山行を楽しめました。六林班峠経由の道は誰にも会いません。紅葉は銀山平~猿田彦神社までが綺麗でした。(鋸山から皇海山への下りで残置トラロープの終わり部分からルートは沢筋から右の尾根に入るのがわかり難いらしく、別々に2パーティーが間違って降ってた。ルート上から声掛けて戻ってもらった。テープがあるので普通に見ればわかりますよ。)

11/3 銀山平15:30-庚申山荘17:10
11/4 庚申山荘5:20-庚申山6:20-薬師岳7:40-鋸岳8:10-皇海山9:15~9:45
不動沢コル10:10-鋸山9:40-六林班峠11:20-庚申山荘13:05-銀山平14:20
朝靄の皇海山縦走路(結構寒い) 鋸山近影この頃は快晴だったのに
(この壁を鎖と梯子で昇り降り)
皇海山(なかなか良い山様) 鋸山縦走路を振り返るとガス!
鋸山山頂(く、暗い、今回はもうダメか) 皇海山山頂
鋸山山頂再び(さっきと全然ちがう景色に 不動沢鞍部から鋸山縦走路
(一番右が鋸山、あそこまでこれから
登り返すんですよ)
六林班峠への笹地獄
(何処がルートかわかりますか?)
庚申山荘と庚申山

コースタイム: