谷川岳:幽の沢V字右 登攀
台風の接近で3,4日前の天気予報は芳しくなかったが週末直前になり好天しそうになり2週間前取りやめた山行を決行。
早朝の天気は上々で青空がのぞいている。一の倉の出合いの車もクライマーも少なく絶好の登攀日和と思われた。結果的には晴天は早朝だけで後は曇り空。
幽ノ沢は水量も少なく 快適にスラブを登るが 二俣の2つ下の滝は左岸を高巻く。河床になかなか降りれず少々苦労してしまう。二俣へ出ると先行の二人がカールボーデンを登っているのが見える。我々は安全第一で取り付きまでは2p60mにロープを出す。
先行者が1Pを終了したのを見て登攀開始。
1P.目 先行パーティをまねて直接フェースを右上する。ガイドブックでは右トラバースの後2P目でフェースをのぼるとある。35mプロテクションがないので少々緊張。ビレーポイントはグラグラのハーケン一枚。ハンマーで打ち直す。
2P目 50mいっぱいのフェース。プロテクションは一箇所だけ。
3P目 出だしフェースを左上してカンテを回り込みフェースを右へのぼる。30m。
4P目 フェースを凹角の基部を目指して登る。 30m。このあたりで中央壁からカールボーデンへ向かう大量の落石の音に驚かされる。
5P目 広い凹角。右側のフェースから 左のフェースを登り カンテのビレーポイント。35m。このピッチはプロテクションが多い。
6P目 カンテ状のフェースを登り チムニーの左側のフェースを登る。チムニーの中は苔で滑りあきらめて、左フェースを登るが見た目よりもホールド、スタンスが多い。
以後 バケツ状の草付きを2P75mを登り石楠花尾根へ出るが、急で気が抜けない。石楠花尾根から堅炭尾根までが思ったより難所であった。途中からトレースを外し 右よりの急な草付きルンゼを登ったのですっかり体力と時間を消耗してしまった。潅木と笹で危険ではないが、急な傾斜が問題。堅炭尾根の登山道へも直接でることが出来ず暫く尾根上を藪漕ぎで登り登山道を見つける事ができた。
数十年ぶりの堅炭尾根、上部の尾根道は快適であったが 芝倉沢へ下りる道は露岩が滑りやすく極めて不快的だった。
芝倉沢は中間部のくびれた部分に大きな雪渓が残っている。近ずくとスノーブリッジになっておりオマケニ垂直に亀裂がみえる。改めてヘルメットを被り直し左岸の雪渓を避け右岸ギリギリの滝を急いでクライムダウン。普段同行者はフリーで降りれないところであったが何の異論も唱えずフォローしてくる。結局今回の山行で一番緊張した個所であった。
幽ノ沢全景 |
とりつきめざしてとぼとぼ |
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二俣付近からカールボーデン |
カールボーデンを登る先行パーティー |
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核心部の凹角を登る |
安心でなかった雪渓。この季節に |
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これがほんとの安心ポーズ |
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コースタイム:
一の倉出合5:35
幽の沢V字右取り付き7:55
登攀ルート終了9:55
石楠花尾根10:20
堅炭尾根11:20
芝倉沢出合13:35
一の倉出合14:30 |