2008/6/7,8

谷川一の倉烏帽子奥壁南稜

メンバー:当クラブ4パーティー入山
報告はそのうち6/7会員2(男性1、女性1)   6/8会員2(男性2)の2パーティーのものです。


6/7 晴れのち曇り
4:50一の倉出会発6:05南稜テラス着
6:55登攀開始10:20登攀終了14:00一の倉出合駐車場

一の倉出会い駐車場で寝ていると隣に駐車した車から聞き覚えのある声が聞こえた。
起きて見ると 今話題のSpeedレイザレーサーのようなタイツをはいた元気なAさんだった。南稜を登って稜線に抜けるということで若いパートナーとともに取り付き先陣争いに向かった。
出遅れた我々も朝食をそこそこにテールリッジへと。テールリッジでロープを出しているパーティの先を行かせてもらうが南稜へ向かうパーティは多そう。
南稜テラスに近ずくと、Aさんとおぼしき最初のパーティが1P目を登攀中、声をかけ写真を撮る。南稜テラスでは取り付き中のパーティを含め8人4パーティがいる。やはり出遅れの感は否めない。
 結局、登攀開始から下降まで終始渋滞状態の登攀となる。Nさんが2p目と草付の上の1pをリードしてもらうが 晴天のわりには岩が濡れていて注意を要する登攀が続いた。
 特に最終ピッチのフェースに取り付く踏み台のような大きな岩一部が動き苦労する。もし岩を落とすようなことがあれば南稜に続いているパーティを直撃することになる大岩を右から左へ巻き込むのに神経を使った。後続のパーティのリードがここで墜落下のテラスにグラウンドしたが事無くを得た。Nさんがセカンドで登っている真下だったので相当なショックを受ける。
 南稜の下降でも先行するのんびり6名に悩まされるが気長に南稜テラス下のバンドへもどる。中央稜基部で休憩ゆっくりテールリッジを下り駐車場へ戻るがトップで取り付いたAパーティの車は既に無く 後ほどユテルメで会うことが出来た。

6/8 天候くもり

何しろ30年ぶりというSさんと初めてという私である。やっとの思いで南稜の取り付きテラスに付くと先行パーティ男女2人が準備中であった。あいさつをし状況を聞くと先行パーティはいないとの事、昨日は多数のパーティで相当待たされたとの事。又、登らないで降りていったパーティもいたという。今日はラッキーである。順延したかいがあった。どうやらこの方はガイドさんであるようだ。

 今まで何度もここに来る機会はあったがそれも実現できずただただ時だけが過ぎていった。こうしてやっと実現できたというのに高揚感もなく不思議なくらい平常心である。下方を見ると当クラブのKWさんパーティ5人が登って来ている。
 空模様はくもりで今にも降りそうだが天気予報の降水確率0%を信じて1ピッチ目をリードする。岩肌は前夜の雨でぬれているため、チムニ―の入口で先行のセカンドが苦労している。しばらくそっと見守っていたが右足のステップの位置等を助言させていただく。2ピッチ目はSさんのリードでツルベで行く、3ピッチ目の草付あたりからガスが出たり切れたりで、4ピッチ目のハングの左側を巻く様に登るあたりではびしょびしょにぬれてて丁寧にステップを探さないと滑りやすくクライミングシューズより沢靴の方がいいかもしれないと思った。リッジをリードしビレイ点に付いた頃左の方角からドドドドーンというものすごい轟音がして下の方に轟音が落ちていった。そのものすごさに2人ともその場で固まってしまう。ブロックなだれだろうか?空気が振動してる様でもあった。右側の切れ落ちた所もガスのため展望がなく高度感もない。終了点はもうすぐである。最終ピッチ私がリードで登攀は終わる。

 6ルンゼ2ピッチで南稜から下降のつもりが降りすぎてしまいこのままルンゼを下降することに決定する。このルンゼはあまり下降していないようで各ポイントにあらかじめ用意してきたロープスリングを設置する。
 
 ルンゼから南稜テラスまでのトラバースはSさんのかすかな記憶がよみがえり、難なく見つけることが出来るも、このトラバースも気のぬけない所であった。南稜テラスに着いた時にはお互い安堵する。しかしこれからまだまだ気のぬけない下りである。雪渓に降り立った時はやっとひとまず安全圏についたと思いほっとする。
 実は私にとってこの下りがぬれているため一番いやであった。ロープを付けてないためスリップしたらアウトであるという本当に緊張した所である。駐車場に着くと先のガイドさんよりおつかれ様と握手を求められお互いガッチリ握手をさせていただく。初対面の人から握手を求められなぜか妙に感動してしまった。
なお、6月7、8日で当クラブ員は南稜を6人登りました。

1ピッチ目のAパーティー テールリッジ
混み合う南稜テラス 1ピッチ目のチムニーを抜けて
馬の背リッジ 最後の垂壁
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