先行するパーティー 延々と続く雪稜
ラッセルして進むトップにだんだん近ずいてきました。 頂上の雪庇は大きすぎます。
M大山岳部OBが果敢に雪庇の左弱点に挑みます。
本来のルートはトラバースせず直上です。
我々はルート工作を見守るだけ。
大分追いついてきました 顔が半分写ってるのは有名山岳ガイド
稜線に出ました 雪の量はたっぷりです。
頂上は飛ばされそうな風 大雪渓から主稜を振り返る。
早朝の白馬大雪渓 8峰までの登り

2007/4/28-29

白馬岳:主稜線

メンバー:会員2(男性1、女性1)


4/27

18:00東京発 白馬の道の駅で就寝

夜中目が覚めると素晴らしい星空が広がっている。
6:00出発 天候は快晴。憧れの主稜線に向けての緊張と、期待で胸が高まってくる。
すでに何パーティーかが取り付いている。8峰まで広い斜面を登っていく。だんだん急になっていく雪壁に喘ぎながら稜線に飛び出すと、素晴らしい雪稜が続いている。空は抜けるような青空。これぞ、憧れのクラッシクルート!
 そこからナイフリッジと急な雪壁の登攀の連続となり、大丈夫だとは思ったが、雪が非常に不安定だったので、安全をとりUリーダーにアンザイレンをお願いした。雪壁が急になってくるとだんだん渋滞してきて、待つことも多くなってきた。自分たちのペースではなんでもなかったナイフリッジもゆっくり歩き、下を見る機会が増えてくると吸い込まれていきそうな感覚に陥りゾッとする。
 11時50分頃、2峰前までくると先頭ラッセルパーティーに近くなりラッセルを覚悟したが、本峰が見えてくると様子が違ってきた。前のパーティーの動きが止まった。どうやら抜けなければいけない頂上の雪庇が尋常ではないらしい。確かに本でみたそれとは明らかに違う。すべてのパーティーの動きが止まり動揺が走る。私たちの前のパーティーのガイドはどうルートを取るか後ろのアシスタントや、後から来る違うガイドと相談している。先頭の大学山岳部と、ガイドパーティー以外、後ろに下がり見守っている。ここを抜けないと帰れない、来た主稜線を戻るには厳しい。そんな中、まず2峰を大学山岳部が氷と岩のルートを行き、迂回ルートをガイドがラッセルをして工作しそれに全パーティーが続き、頂上直下に着く。
 我々が直下に着いたころ、果敢に大学山岳部OBの方が雪庇を崩してルート工作に挑んでいた。通常は直下取りつきからストレートに登るが雪庇の弱点をついてだいぶ左にトラバースしている。しばらくすると雪庇を崩し、上に抜けた。下にいた違うパーティーからも拍手が起こった。あぁ、これで帰れる。不思議な一体感に包まれた。続いてガイドパーティーが抜けていく。
 直下で一時間半から二時間待ちようやく我々の番となった。頂上までは2ピッチ。1ピッチ目、壁は思った以上に急でダブルアックスで必死に登っていく。上からバンバン雪が落ちてくる。やっと、Uさんの位置まで登り、急な壁の途中でビレー。足元をバンバン蹴り込み体を固定させる。雪が落ちてきた理由を理解した。ここからUさんが左にトラバースしていく。ここでトラブル発生。他パーティーはこれで頂上に抜けたが、我々のザイルが短い。再度、雪庇の真下でピッチを切る。最終ピッチUさんが上にぬけた。ザイルが引かれだし、すぐ上のはずなのに声が聞こえない。しかし、日頃の練習等からこの状態は登って良いと判断し、登っていく。
14:00雪庇を抜けるとまさにポンと頂上に飛び出した。すると、途端に吹き飛ばされそうな風!!声が聞こえない理由をこれまた一瞬で理解した。
 主稜線の感動を味わう暇もなく白馬山荘に向かう。風速30Mはあったのではないかと思うくらいの風である。何とか小屋まで行き、そこから大雪渓を下っていった。大雪渓は急で硬くなっていたり、ズボズボだったりと非常に疲れた。
 テントが心配だったがポールが曲がりながらも何とかあり安心する。あとは猿倉駐車場までである。テントを撤収し、荷物をギューギューに詰め込んで猿倉まで駆け下りた。と、言いたいところだが、ヘトヘト、ヘロヘロ。やっとのことで猿倉駐車場にたどり着いた。

4/29

朝から雨。とりあえず猿倉まで行き、猿倉山荘でコーヒーを飲みながら様子見とする。
雨はどんどん激しくなり、雹がふり雷までなる始末。それでも、明日は天候回復の様子なので白馬尻まで行こうと言う事になり小雨になったのを狙って歩き出す。白馬尻につきテントを張る。我々のほか二張先客がある。バイルも出ていることからやはり、主稜線であろう。夕方になってくると雷と、風、雪が激しくなってくる。本当に明日は回復??

4/28

今回の山行は幸運でした。前日の積雪のラッセルは大学山岳部(OB?)が先行していたこと。頂上の雪庇は有名ガイドの方も見たことないほどとのことでしたが、そのガイドの方々がルート工作をしてくださったこと。みなさんのおかげと感謝しています。