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115 四姑娘山トレッキング(二姑娘山登山)
日程

2010.7

メンバー K.I
詳 細
四姑娘山トレッキング(二姑娘山登山)
                                                                   写真のページ
                                                                    石井 記
1.はじめに
 この四姑娘山(アールクーニャンシャン)山域は、中国四川省の省都である成都から北西に約230kの所にあり、
ヒマラヤ山脈チベット高原の東端に位置している。
四姑娘山(6250m)を主峰に、三姑娘山(5355m)二姑娘山(5276m)大姑娘山(6025m)の4つのピークが並んでいる。
四姑娘山(1981年7月に同志社大学隊により初登頂)は別格として、他の3つピークの内、
大姑娘山は比較的簡単に登れることから、日本からもツアー登山が企画され多くの人が登っている。
一方、三姑娘山、二姑娘山は近年登頂を目指す人が多くなっているようだが、日本ではほとんど詳しい山行記録がなく、
今回の二姑娘山の登山計画も詳細はすべて現地に行ってから決めるという状況であった。
 またこの山域には、双橋溝、長坪溝、海子溝と呼ばれる3つの大きな渓谷(日本の梓川を大きくしたようなもの)があり、
6月から8月にかけて高山植物がすばらしいところのようなので、出来る限り辿ってみることにした。

2.期日
 2010年6月25日――7月16日

3.パーティー
 越山、石井

4.行動日程
  6月25日(金) 羽田―成都、名古屋―成都 ホテルにて合流
   26日(土) 成都にて登山準備。登山基地である日隆鎮までの交通機関の確認、装備、食料の買足しなど。
   27日(日) 同上
   28日(月) 成都―日隆鎮へバスにて移動。 2年前の四川大地震に伴い道路復旧工事が未完成の部分があり、
          通常よりも大回りで4000mの山越 えのルートであった。
          日隆鎮での宿泊先はチベット人家族が経営する日月山荘とした。
   29日(火) 日隆鎮にて登山準備。二姑娘山に登るには四姑娘山野外活動管理局の許可が必要とのことで、管理局を訪問。
          当初大姑娘山はOKだが二姑娘山は雪が多く危険なので許可しないとのことであったが、粘り強く交渉した結果、
        (1)事故があっても管理局には責任は無いという保証書を提出すること。
        (2)管理局が指定するガイドを雇う、という条件で登山許可が取得できた。 
          午後 双橋溝見学。この渓谷は観光バスが運行されていてほとんど歩かずに景色を見ることができる。
          サクラ草の群落がすばらしい。
                                                                    写真のページ  
   30日(水)(登山第1日、曇り)
         日隆鎮発6:00―花海子(ベースキャンプ3800m)着11:30
          早朝ガイドと荷物を背負ってくれる馬一頭ともに出発。
         30分程でこの連山の主稜線の末端を乗越し、高山植物の咲き乱れる海子溝と呼ばれる渓谷沿いの道を進む。
         約5時間半でベースキャンプとなる花海子(地名)に到着し、テントを設営する。海子とは湿地状の高山湖のことで、
         文字どおりここはお花畑と湖が広がる別天地のようなところだ。
         テントのすぐそばにチベット人の家族が暮らす石つくりの小屋があり、夏の間、馬、牛、ヤクなどを放牧している。
            写真 01,02

  7月1日(木)(登山2日目、雨のち曇り)
        BC発14:00―AC予定地15:30―BC着16:30
        午後雨が止んだので、高度順化と偵察を兼ねAC予定地(4200m)まで登る。
        高山植物を踏み分けて登ること約1時間半で到着。
        これならば時間をかけてACを出すまでもないということになり、アッタクはBCから直接行うことにした。
    
   2日(金)(登山3日目、晴れのち曇り一時ひょう)
        BC出発5:50―AC予定地7:15-30―水場8;45-55―ガリー状の岩場上部
        10:35-45―頂上稜線のコル11:30-40―頂上13:10-30―BC着16:50
         
        夜明けとともに馬にザックを積んで頂上アタックに出発。
        AC予定地で馬をつなぎザックを背負う。
        草原から一変して岩がごろごろしたところを頂上正面岩壁の基部左端を目指して登る。
        基部手前のガリー状の岩場を乗越し更に岩壁基部をトラバースしながら右上する。途中から雪渓となりアイゼンを着ける。
        なおも傾斜のきつくなった雪渓を右上すると、頂上稜線のコルに達した。いつの間にかガスに覆われ眺望は皆無。
        頂上稜線の雪稜を登り頂上直下の岩稜にでる。ここでアイゼンをはずし、岩稜をしばらく登ると頂上に着いた。
        頂上にはチベット族のタルチョ(経文が印刷された祈祷旗)が無数に供えられていた。
        雷鳴が聞こえ始めたため、早々に下山開始。
        途中ひょうに降られたが、無事BCに着くことが出来た。BCでのビールの味は忘れられない。
          写真03から12

  3日(土)(登山4日目、晴れのち曇りのち小雨)
        BC発10:00―海子溝4150m地点―BC着15:00
        BCのある花海子の奥に続く海子溝をトレッキング。
        4150m付近にはブルーポピー、イエローポーピーなどが咲き乱れていた。
          写真 15,

  4日(日)(登山5日目、小雨)
        BC発9:00―日隆鎮日月山荘着13:40 
        昼寝でもして過ごす予定であったが、あいにくの雨のため急遽下山することにした。
        荷物を馬に託し空身で登山基地である日隆鎮の村へ降りる。途中エーデルワイスの群落がすばらしい。
          写真 16
    
    5日(月)日隆鎮日月山荘にて終日休養。

    6日(火)長坪溝へトレッキング。
         日隆鎮日月山荘発6:00-11:20木騾子3700m12:10―日月山荘着16:15
         今までまったく姿を見ることが出来なかった四姑娘山の勇姿を木騾子の牧草地から仰ぎ見ることが出来た。
         この北西面は頂上まで標高差約2500mの圧倒的な大岩壁が連続している。
         ここを数年前に登山家山野井氏が挑んだという。
        写真 13,14

  7日(水)日隆鎮を出発。この日以降各地を観光し、7月16日帰国。


5.装備について  
   ピッケル、アイゼンなど冬山に準じた装備を持参した。ガスボンベは成都で購入したが、
   現地の管 理局で販売していた。またほとんどの山の装備をここで借りることが出来る。

6.食料について 
   登山期間中の食事は、レトルト食品を中心に日本から持参したものを食べた。酒類、果物、肉などは成都で購入。

7.その他                            
   私自身が一番心配していた高度の影響については、全く問題がなかった。出発前に富士山に登ったこと、
   アタックまでの3日間3-4000m前後に滞在したことにより、うまく高度順化出来たようだ。

                                                                        以上
                                
                                                                   写真のページ
                                
 

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