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102  赤岳 中山尾根
日程

2010年4月3日

メンバー 参加者:U、N
詳 細

天気:晴れ、霧、雪、晴  風強し
【コースタイム】
5:00小淵沢道の駅  6:00美濃戸赤岳山荘  8:30行者小屋
10:20中山尾根取り付き  13:35登攀終了稜線  17:20美濃戸赤岳山荘

【詳細】
小淵沢の道の駅を5時出発、車にて美濃戸口より美濃戸の赤岳山荘へ向かう。
身支度を整えて赤岳山荘前を6時に、まずは行者小屋へと南沢を歩き出す。
朝一番寝不足の体には行者小屋までの道が非常に長くアプローチで既にバテ気味。
行者小屋からは赤岳鉱泉へ向かう道の途中、中山乗越から樹林帯へと入っていく。
急登を約一時間尾根取り付き手前で登攀具をつけ、下部岩壁へと向かう。
先行パーティーがいるようだが最後まで会わなかった。

下部岩壁第一ピッチ
取り付きビレー地点より右に回り込み凹角から登攀開始。
体が慣れていないため厳しい。リードUさんがどうやらさらに難しい方に行ったようである。
ハングとなり手袋では厳しかった。ピナクルを抱え込むように強引に登った。

第二ピッチ〜雪稜
前回1月厳冬期に登ったときはここからは雪稜だった覚えがある。
雪壁をさくさく登った記憶があったが、今回は凍った草つきに岩が出ていて非常に難しく感じた。
岩に薄い氷が張り付いていてアックスもささらず、足場もアイゼンが効きそうなところが見あたらない。
それでもU氏の打った後を見つけては自分のアックス、アイゼンをごまかすように刺しながら何とか抜け出した。
それからの雪稜も氷の上に少し雪がついている不安定な状態。岩場もベルクラ状態でつるつる。
時折、木登りを交えながら第二岩壁へと向かう。

上部岩壁第一ピッチ
ここが中山尾根の核心。かぶっていてW級+の岩場。
天気も風が強くなり雪が舞いだしてきた。
取り付きより右のチムニーから登攀開始。
だんだんかぶってきて最初は少々焦るが落ち着いて探すと結構アイゼンの爪が乗るスタンスがある。
最後にかぶったクラックから体を乗り出す時に左のホールドが見つからず多少苦労した。
ここでトラブル発生。U氏の自己ビレーに使っていたアンカンのスクリューが動かない。
メインロープを一旦外し結び直して残置とする。

雪稜〜最後の岩場〜縦走路
ここから最後の岩場まで凍った草つき。アックス、アイゼンをきかせながら最後の岩場まで強風の中急ぐ。
最後の岩場はまたハング。
この岩場は自分には記憶の無い部分だったが、最後だと自分に言い聞かせながら、思いっきり体を乗り出す。
ここでやっと縦走路が見えてきた。
一見、つるつるで難しいかと思ったトラバースも難なく超え、縦走路に出た。
天気も回復し、一般登山道とはなんとありがたいものかと感動しながら地蔵尾根の分岐に出る。
ほっとしたのもつかの間。素晴らしく?急で凍り付いている様子。太陽で輝いてさえいる。
こんなはずでは・・・。何度か冬の地蔵尾根を下ったことがあるが、厳冬期より遙かに難しい。
ところによっては前向きでアックスを打ち込み、フロントの爪をきかせながらの下山。
これは軽い気持ちで来てしまったら厳しいのでは?と思っていたら、案の定事故が多発しているらしいと帰りに美濃戸の赤岳山荘で偶然お会いしたHガイドより聞かされた。
やはり雪山はなめられない。
帰りはスケート場のような南沢をくだり長い一日がやっと終わった。

5,6年前、1月に中山尾根を登攀したときはとにかく寒く、上部岩壁では渋滞1時間待ちだった。その時は同行者が軽い凍傷を負ったのだが 草つき部分が雪壁となっていて今回ほど怖さを感じなかった。
今回、4月という半端な理由か、暖気と寒気の影響か、草付き部分と岩のベルククラで前回より数段厳しく感じた。
やはり雪の状態でこんなにも違うものなのかと非常に勉強になった登攀である。


1p目に取り付いている先行パーティ
(以下、すべて時間が1時間ずれています)。
朝日を浴びて登攀U氏

上部完璧を登るN 稜線にて。後ろが中山尾根

赤岳に向かって 地蔵尾根を下る。雪の状態が極めて悪い。ここはまだ柔らかい雪




 
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