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2009年
76.日高:カムイエクウチカウシ山
日程

2009年7月29日〜30日

メンバー

masao,hideo2名 報告:masao

詳 細

 私は7月初めから北海道に入って登山と観光をしていたが、27日に帯広空港でI氏と合流して日高のカムイエクウチカウチ山に登った。本来は梅雨がないはずと思っていた北海道なのに、今年はずっと天候が悪く、その日までに晴天に恵まれたのはわずか3日だけ・・・それでも、何とか芦別岳、富良野岳、利尻岳、斜里岳、羅臼岳の5つの山に既に登っていた。特に、利尻岳は約40年前の冬(1968年3月)にアルムの合宿で南稜・バットレスから登って以来の思い出深い山であった。
 今回登ったカムイエクウチカウチ山(1979m)は日高山地の中央に位置する堂々たる山で、日本200名山の一つである。今もはっきりとした登山路は無いに等しく、通常は、途中で1泊ないしは2泊を要する奥深い山で、札内川の支流を遡行しながら頂上稜線に至るルートを辿ることになる。

 7月29日(曇り)。第1日目は札内川の林道終点に車を置き、4時間ほど歩いた八の沢出合まで。このところ連日のように降り続いた雨で沢がかなり増水しており、深い所で腰下ぐらいの渡渉を何度か繰り返しながら札内川を遡った。本来なら1日目にもっと登っておくと翌日の行動が楽なのだが、山の上部だとヒグマの出没が怖いということもあって敢えて八の沢出合のテント場までとした。さっそく濡れた流木を集めて焚き火をしたが、なかなか快適な幕営地であった。
<コースタイム>
札内川林道終点登山口09:00〜七の沢出合10:30−45〜八の沢出合13:00(泊)
                  
 7月30日(曇りのち晴れ時々雨)。前夜はかなり強い雨が一晩中降っていたが、朝方になって止んだので5時にテント場を出発。上部の頂上稜線を目指して八の沢を遡行する。何度か渡渉を繰り返していくと残雪が現れはじめ、大雪渓の上部から八の沢カールに続く沢筋を登るようになる。概ね沢の左岸(右手)にルートをとるが、高巻きなどで沢を外れるとひどい藪漕ぎとなった。なお、今回は二人とも最初から最後までゴム底の沢靴だけを使用したが非常に有効であった。
 八の沢カールから高山植物の咲く稜線に出たあと、最後は痩せた岩稜を辿ってカムエク山頂に着いた。ガスの切れ目から日高の山々が少しだけ顔を覗かせてくれた。登りの稜線でヒグマの足跡と糞を見たが、下山していくと前方のカール上部に熊の親子がいた。持参したホイッスルを鳴らしたもののなかなか逃げて行かず、以前、このカールで幕営中の福岡大生3人がヒグマに襲われて死亡しているだけに余りいい気分ではなかった。沢を下り始めると再び雨となり、八の沢出合の幕営地に戻ったのは15時だった。濡れた体でテントにもう一泊するよりも、頑張って下界まで降りれば「風呂とビール」という誘惑には勝てずに下山することに決めた。結局この日は実に14時間行動となってしまったが、何とか暗くなる直前に林道終点の駐車場に戻った。
<コースタイム>
八の沢出合05:00〜八の沢カール9:15−25〜カムエク山頂10:50−11:15〜八の沢出合15:00−25〜七の沢出合17:30−40〜林道終点登山口19:10

八の沢手前を渡渉する

八の沢出合の幕営地にて

三股付近に残る雪渓のスノーブリッジ 八の沢上部の大雪渓を登る

八の沢カール下の三段の滝
八の沢カールから頂上稜線を見上げる

稜線から八の沢を見下ろす
頂上に続く稜線を登る

イエクウチカウチ山頂にて
ガスの合間に見えた日高の山






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