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2009年
70.明神岳東稜
日程

2009年5月9日〜5月10日

メンバー

U・Nayu・asai 計5名        報告U

詳 細

5/9,10 
上高地は好天にも恵まれて沢山の観光客で既に賑わっていた。しかしその喧騒も今シーズン初めての上高地入りということで気になることはなかった。小梨平のキャンプ泊は日和って嘉門次小屋泊まりとなったが 宿泊客は明日東稜に登るガイドパーティの2名と我々だけで、煙いながらも名物の囲炉裏での食後の談笑を楽しむことができた。
朝はうす曇ながら気温は高い。30分ほど早く出たガイドパーティに続き我々もヘッドランプをつけて小屋をでる。前日偵察したので岩魚の養殖場跡からのアプローチには全く問題が無く 右手に白い崩壊壁を見ながらガレ沢を右に横切り宮川のコルに至る溝の様な
沢を進む。宮川のコルは判然としなが東稜取り付きまでの広い雪田が広がる。新雪のあとは雪崩の怖い1時間であるが今日はその心配は無かった。予定通り6:30前にひょうたん池へ達し雪で覆われた東稜をすすむ。時折 ハイ松帯を進むがアイゼンでは歩きにくい。最初の岩峰はロープを出して左の草付きを登る。古い腐れかけたフィクスがあるが必要は感じない。ただ、以前に古いフィックスが切れて事故があった場所なのでいつも緊張するところである。連休前半に降った雪があまり安定していないが雪壁、稜線と順調に進んだ。最後のバットレスにはひょうたん池で幕営した5人パーティが取り付いており、大きな声が聞こえる。ガイドパーティの2人は既に追い抜いたらしい。前のパーティに追いつかないように その前の雪稜で大休止して明神5峰から前穂高へつながる大パノラマを楽しむ。最後の岩峰へは急な草つき40mほどを越え雪壁の上の取り付きへ。最後の壁は25mほどであるが ゆるいクラックから右へ廻りこむようにして垂壁部分を越える。その上は不安定ながら雪壁をコンテで明神主峰へ至った。主峰からは5峰経由で下山するか迷ったが 帰りの運転のことを考え奥明神沢経由岳沢へ下った。奥明神沢は比較的新しい雪が50cmほど積もっていたが100m程下ったところで 新雪部分が段差になって雪崩れていた。比較的新しいスラブ雪崩が奥明神沢全体を覆っていた。自分たちが下降してきた部分についてはまだ雪が張り付いて雪崩れる可能性があったので そこからは沢の端っこを 上のスラブが雪崩れることを想定して下るが雪が深く苦労する。コルで追い着いた5人パーティは雪崩のことは全く気にせず沢底を駆けるように下り 我々を追い抜いて行く。もう急いでもしょうがないと雪崩の本流をさけながら膨大なデブリで埋まる安全地帯へ下降した。今回の登攀のなかで一番リスクのある部分だったかもしれない。小屋の無くなった岳沢は2人のスキーヤーを見るだけの寂しさで 小屋の存在感をあらためて認識する。小屋は近々に再建されるとのことであるが岳沢への道が荒れる前に復活することを願い上高地へ下った。
晴天に恵まれ一生懸命写真を撮ったのだが メモリーを入れ忘れ頂上での写真をはじめ大部分の写真が没になってしまって残念だった。


コースタイム:
5/10/2009
嘉門次小屋03:55 ひょうたん池06:25 明神本峰09:55 奥明神沢コル10:55
上高地13:30

 




 

宮川のコルより明神東稜を望む。 宮川のコルよりひょうたん池へ向かう。

ひょうたん池までの雪渓を登る。
最初の岩峰。古いフィックスのある左の草つきを登る。

登ってきた雪稜を振り返る。
最後の岩峰を望む雪稜で大休止。草つきから雪壁をこえて岩壁へ。
前のパーティが見える。






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