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2008年
57.北岳バットレス第4尾根ピラミッドフェース〜主稜
日程 2008年9月13日〜15日
メンバー Ue,Nayu,Kuni      報告:kuni
詳 細
9/13(土) Ue代表、Nayuさんとはお昼に芦安のバス停で待ち合わせる予定だった。しかし、
3連休の始まりで中央道は大渋滞。後続のUeさん達はとうてい間に合わない。
先行してバスに乗り、広河原でビールや焼酎を飲みまくった。いい加減酔っぱ
らったが、まだ来ない。ちょうどそこへ、知り合いのガイドパーティ9名が通
りかかったので、一緒に白根御池小屋まで行くことにする。結構な急登で、酒
を飲み過ぎたのを後悔した。
いつものことだが御池小屋は混んでいて、布団は二人で一枚状態だった。小屋
の前でガイドの方達と飲んでいたら、4時半を過ぎてようやくUeさん達があら
われる。うわぁ、遅かったねえ。お疲れさま。
9/14(日) 朝食を取らず、午前3時45分に御池小屋を出発する。二股を過ぎたところで、
雨がパラつき出したので雨具を着用する。真っ暗なので、バットレス沢を過ぎ
た辺りと適当に見当をつけ、踏み跡を右上した。
Dガリー大滝の手前で明るくなった。明るくなるとクライマー達が、思い思い
のトレースからDガリーめざして集まってくるのが、はっきり見えてきた。主
稜を登るのが4〜5パーティ、下部フランケが2パーティ、ピラミッドフェー
スはなぜか多くて4パーティほど。結局、総勢30名余りがDガリー大滝下に
集まる。ちょっとした先陣争いの後に、午前6時過ぎに登攀開始。よし、登る
ぞっ!うわっ、岩が濡れていて予想以上に滑る。
雨に濡れ、滑りやすいDガリーを、3ピッチほど恐る恐る直上する。そこから、
横断バンドを右にトラバースして、ピラミッドフェースの取り付き(下から真
っ直ぐに登ると4〜5ピッチ目)に着いた。効率よく登ったので、われわれは
2パーティ目である。後続の2パーティも下から登ってくる。
ピラミッドフェースは、決してやさしいとは言えないが極端に難しくもない、
これなら、まあ5級くらいかなという感じの、傾斜の強い逆層気味のフェース
である。逆層の割りに、よく探すとちゃんと小さなホールドもあるので快適に
登れるし、クラックが発達しているのでカムもよく効く。というより、老朽化
して不安定な錆びたハーケンが多いので、カムは必需品だ。1,2番を各2枚
と0.75、0.5番のキャメロットを持参したが、1,2ピッチ目と5(4)ピッチ目
あたりでフルに使用した。
最終ピッチ手前、5(4)ピッチ目の核心部、あおり気味のクラックで、1番の
キャメを噛ませてから2メートルほど上がり、クラックに0.5番を突っ込もうと
試みた。
「やば。クラックが細すぎて0.5番が入らない。エイリアンやマイクロカムは
持ってこなかった。・・もう2メートルほど登らないと、核心部を抜け出せない。
ここで3メートルも落ちたら下のキャメロットは間違いなく吹っ飛ぶだろうし、
そうなったら大墜落だ。」
 よい知恵も浮かばないので覚悟を決めて登ったけれど、この時ばかりは「絶
対、落ちないぞ」と上半身の筋力を100%使い、ものすごく疲れた。
 最終ピッチ、直上後右にトラバースしてピラミッドフェースの頭、4尾根主
稜の3ピッチ目に合流する。ここでUeさんとトップを交代する。
 それにしてもまあ、主稜のパーティには首を傾げるような人たちが多い。先
行する各5〜6人の2パーティも、ロープ操作の遅い、やや変な方達だったの
で、Ueさんは、さっさと抜いて先に立とうとスピードを出した。枯れ木テラス
を越え終了点間近のあたりで、パラパラと再び雨が降り出した。午後2時過ぎ
に登攀終了。装備を片づけていたら遠くでカミナリが鳴り、なんと雹が降って
きた。雨具を着けて、急ぎ足で山頂に向かう。
 山頂から北岳山荘に向かうときには雨も止み、再びよい天気になった。稜線
は草モミジの秋の風情である。午後4時前に北岳山荘着。残念、また混んでい
て布団は二人で2枚だ。
9/15(月)

風が強く、雲もやや低くて晴天とは言いがたい。前夜、「快晴なら中央稜を
登ろうね。でも、天気がイマイチなら、疲れてもいることだし下山しよう。」
と話していたので、さっさと中央稜の登攀を断念して下山した。
広河原でビールを飲んでまったりし、芦安で風呂に入る。お風呂も、ものすご
く混雑していた。

Dガリー大滝の取り付き。さあ、登るぞ。 2P目のNayu
核心部、かぶり気味のクラックに向かう 主稜、マッチ箱を背後に「 Ue さん、もっと張ってえ!」

北岳稜線上は草モミジで秋の風情 北岳稜線上は草モミジで秋の風情

早朝の北岳を後に下山する 早朝の北岳を後に下山する

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