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2008年
49.北岳バットレス下部フランケ〜dガリー奥壁
日程 2008年7月18日〜20日
メンバー 男1  女1 報告:Nayu
詳 細
7月19日

天気:快晴

11:30 広河原
14:20 白根お池小屋


「今週はゆっくり過ごしますから!!」そんな決意も梅雨明け?の一言であっさり。
3連休を利用して北岳バットレス下部フランケ、Dガリー奥壁に行ってきました。
久しぶりのバットレスにちょっとわくわくしたものの、現実は、結構厳しかった…ッス。

心配した道路の混雑もなく順調に芦安に到着。しかし、夜叉神峠の大分手前で駐車場
混雑の看板と警備員に導かれ小学校に作られた臨時の駐車場に駐車。やっぱり連休
だということに改めて気づく。
車を降りるとすぐ、タクシーに他の登山者と乗り合わせることになり、慌てて準備をする。
(このときカメラを…。そんなわけで写真なしです)。車の中で先週も登攀したという外国
人クライマーとの会話で取り付きに残雪がとても多く、アッタクシューズで苦労して今回は
硬い靴を履いてきたとのこと。ちょっとビビる。と同時にやはり情報収集不足と反省。
まぁー行けるところまでと、開き直って白根お池小屋に向かう。小屋は大混雑のものの
綺麗で清潔なトイレと部屋に感激。偶然、知り合いとも会い、一緒にビールを飲みながら
のんびり過ごした。


7月20日

天気:晴のち曇り
04:30 白根お池小屋(待ち時間含む)
07:20 Dガリー取付(待ち時間含む)
14:25 登攀終了
15:15 北岳山頂
18:50 広河原

天気は快晴。順調に二股に到着。しかし雪が多い。二股からの登山道はまだ雪の下。
雪渓の上を歩き、C沢に入り、取り付きへと向かう。取り付きの手前のいつもなら草付の
場所にびっしり雪が残っている。見ると岩には既に思い思いのルートに5パーティー以上
が取り付いている。雪渓は短いが傾斜が急でもなく、緩くもなく、なんとなく嫌な感じ。
私たちはバイルもなく、しかも靴はアプローチシューズのため蹴りこめない。念のためアン
ザイレンをして雪渓を登りシェルンドを飛び越し岩へと移った。

そして楽しくも辛い汗と涙?の一日が始まったのです。しかし、登攀を終えたときには、
フェース、スラブ、クラック、チムニー、カンテ、ハング等々、知っているクライミングがすべ
て織り込まれているような二つのルートを登攀したという充実感と達成感に気分は
最高。登攀具をはずして、さぁ、ここから広河原までもうひと頑張り。
バスに乗るぞ!!しかし、体が…、あ、足が…。山頂を目指しての登りや、山頂から二股
までの長い下りにはヘロヘロよれよれ。そんな時、ふと足元を見ると、今が盛りとばかり
に色とりどりに咲き乱れる花々。そして、じっくり周りを見渡せば競うように咲き乱れ、まる
で別世界のような一面のお花畑。あぁーここはやっぱり3000mのアルプス!そんな高揚
した気分のまま広河原山荘に到着したときには、バスには間に合いませんでしたが、そ
の代わりに山荘のスタッフのやさしい対応にも出会い、最高においしいビールを味わう事
ができ本当に充実した一日でした。


ルート報告:報告者U

雪山装備皆無の状態なので遅めの出発となり下部フランケの取り付きは4番目。
Dガリーへの取り付きへは大きく残った雪渓を20m程登りCガリーよりのシエルンドの小
さい部分より岩へ移る。柔らかいアプローチシューズのため一応アンザイレン。シェルンド
の間をくぐりDガリーへトラバース。

1P目: 左側より少々難しいかぶり気味を乗り越し。ルンゼの左よりを30m。
2P目: つるべで草つきのルンゼを横断バンド。

☆ここより、「下部フランケ」
3P目:Dガリーから省略できるピッチ-だがルートガイドではX級。階段状のフェースから凹角に入る残地ハーケンを追いながら体を突っ張りながら登る。チョックストーンを左に乗り越し大きなテラスまで50mいっぱい。

4P目:下部フランケ核心のピッチ。草つきフェースから小ハングを乗り越しハーケン連打のフェース。フリーはあきらめA0で乗り越すがバンドに移るところでホールドが乏しく勇気がいる。右に移りクラックを直上する。クラックから左のカンテに移るところがポイント。
クラックの中にカムを使ったので安心できた。

5P目:V字の凹角から出口のハングを左に越える。

6P目:フェースから凹角に入り左へハングを抜け フェースを10m程のぼり草つきのテラスへ。ハング下のビレイの取り方が悪くロープの流れが悪くなる。

7P目:左のフェースを10m程登る。紫色の岩が滑りやすく意外と悪い。
左へ草つきバンドを下がり気味にトラバースするがプロテクションが乏しいので悪く
感じる。50mいっぱいで上部フランケの取り付きへ。15mほどバンドを左にトラバースしてDガリーへ。

8P目、9P目:つるべで簡単な草つきフェースをDガリー奥壁取り付きの大きなテラス
へ。

☆ここより「Dガリー奥壁」
10P目:核心部のハングだが下の大きなハングよりも上のカンテ状のハングを左へ乗り越す方が難しく感じた。

11P目:フェースからハンドクラックを15m程の登るがプロテクションに乏しく一気にの
ぼる。左にふくらみを上りフェースを登る。

12P目:草付まじりのフェースを城砦ハング下の凹角内のビレー点へ。

13P目:チムニー上のワイドククラック。体を使いながら登る。

14P目:前のピッチのチムニーよりも傾斜が強い。上部チヨックストーンをくぐりチムニーのエンドも登れそうだったが バックアンドフィートでチムニーを上に抜け右のカンテへ出る。スタンスが乏しく脚力を要した。カンテにでると4尾根の最終ピッチに合流する。

装備:ハンマー(ハーケンが緩んでいるので必帯)
   リンクカム1番、2番
   キャメロット0.5
 エーリアン 青、緑、黄
 アブミ(今回はお守りだった)

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